○------------------------------------------------------------------○ でぶっち通信★彡 ~ 2010年 万博開催記念号 ~ <第4号> 発行日:2010/06/01 ○------------------------------------------------------------------○ みなさん、こんにちは! でぶっちです。 ついに始まりました、上海万博!! みんなの中には、実際に現地へ足を運んだ人もいるのかな? ぼくもテレビのニュースを見ながら、現地に行ったつもりになって 万博を満喫してるよ! 見てみたいパビリオンは、中国館にブラジル館・・・それとドイツ館かな。 あ、もちろん日本館も行ってみたいな♪ ではでは、今回のでぶっち通信も盛りだくさんでお届けするよ♪ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 今回のメニュー ┃ ┣【1】日常生活に役立てるTOC ┃ ┣【2】たまには「ダイアログ」について語ってみたい ~第04話~ ┃ ┗【3】DevLOVEコロニー、始動! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】日常生活に役立てるTOC ~ちょっとだけ幸せになれる(かもしれない)思考法 ---------------------------------------------------------------------- はじめまして。 DevLOVEスタッフのやまかずと申します。つたないコラムです が、少々の間おつきあいください。 皆さんは、制約理論の条件(Theory Of Constraints=TOC)はご存じでしょうか (ご存じの方はここから先は読み飛ばしていただいてかまいません^^;)。 TOCは、生産管理から組織的な問題解決、プロジェクトマネジメントなどさま ざまなところで活用されていますが、ここでは、TOCの考え方を日常生活に役 立ててみよう、という視点で語っていきたいと思います。なお、TOCの詳しい ことは、Google先生に頼るなり、DevLOVEのボスであるpapandaさん主催の Change the Rule!(CTR)勉強会[*1]に参加してみるなどするとよいかもしれま せん。 さて、人生や社会生活で、私たちはいろいろな問題を抱えています。その問 題の多くは、「ジレンマ」という形で、対立した構図で発生します。たとえ ば、経営者vs.労働者、ビジネスサイドvs.開発サイド、妻vs.夫…いろいろ思 いつきますね。 ジレンマのそれぞれのサイドにいる人(たち)は、それぞれの視点で、それぞ れの立場で、異なった主張をして、一見まったく相容れるところがないよう に見えます。しかしそれは、実際は共通の目的があるにもかかわらず、誤っ た「前提」や「仮定」、「思い込み」、「誤解」があるため、その結果の行 動が違ってきているに過ぎないのです。 それでは、身近なジレンマの例をひとつの例を挙げみましょう。この メルマ ガを読んでいただいている方にとっつきやすそうな?例で説明します(あくま でも例なので、皆さんの思いと異なる部分についてはご了承ください…)。 開発現場にありがち(?)な、 「Agileプロセスを採用する」vs. 「ウォーターフォールを採用する」 という対立があったとします。これは、経営側vs.開発側、の対立になるでし ょうか。 開発現場は、疲労困憊した状況をなんとかしたい、もっと楽しく開発をして いきたい、こっちの方がお客様が喜んでくれそうだ、なんて思いを抱き、 「Agileなプロセスを採用したい」と経営側に提案します。 経営側としては、今まではこれでなんとかうまくいっている訳だし、あまり 大きく変化を加えて失敗したくないので、「ウォーターフォールを採用する」 ことを貫こうとします。 ありそうな対立ですね。しかも、意見は平行線でまったく着地点が見えませ ん。 ここで、はて、我々の目的って何だったかな、と立ち返ってみます。すると、 「ユーザに喜ばれる製品をつくる」 という目的が見えてきます。これは、どんな開発プロセスを採用しようが変 わることのない目的です。経営者も開発者も、この目的に向かって日々働い ています。ところが、何らかの理由によって上記の対立が生まれているわけ です。 そこで、「ユーザに喜ばれる製品をつくる」という目的と、それぞれのプロ セスを採用するという行動を結ぶ線を考えてみます。このとき、 「(目的)」になるためには、 「(目的を達成するための条件)」である必要がある。 「(目的を達成するための条件)」であるためには、 「(条件を満たすための行動)」する必要がある。 の構図に当てはめてみます。 ひとつは、 「ユーザに喜ばれる製品をつくる」ためには、 「ユーザが必要としているものを常に検証し続ける」必要がある。 「ユーザが必要としているものを常に検証し続ける」ためには、 「Agileプロセスを採用する」必要がある。 もうひとつは、 「ユーザに喜ばれる製品をつくる」ためには、 「提供する機能と時期をユーザと約束する」必要がある。 「提供する機能と時期をユーザと約束する」ためには、 「ウォーターフォールを採用する」必要がある。 となります。 ここで、それぞれの線について、前提や仮定を考えてみます。 「(目的)」になるためには、 「(目的を達成するための条件)」である必要がある。 なぜなら、「(前提や仮定)」があるから。 「(目的を達成するための条件)」であるためには、 「(条件を満たすための行動)」する必要がある。 なぜなら、「(前提や仮定)」があるから。 上記例に当てはめると、たとえばこうなります。 「ユーザに喜ばれる製品をつくる」ためには、 「ユーザが必要としているものを常に検証し続ける」必要がある。 なぜなら、ユーザが必要としているものは常に変化しているから。 「ユーザが必要としているものを常に検証し続ける」ためには、 「Agileプロセスを採用する」必要がある。 なぜなら、Agileなプロセスはユーザの要求が変化することを前提にして いるから。 そして、 「ユーザに喜ばれる製品をつくる」ためには、 「提供する機能と時期をユーザと約束する」必要がある。 なぜなら、ユーザはいつ、どのようなものが、いくらで手に入るかを気に しているから。 「提供する機能と時期をユーザと約束する」ためには、 「ウォーターフォールを採用する」必要がある。 なぜなら、提供する製品の最終形態が、最初にわかるプロセスだから。 といった感じです。 この「~から」という仮定や前提は、ひとつではなくいくつあってもかまい ません。 これが、TOCによるジレンマを解決するためのツール 「蒸発する雲(Evaporating cloud)」 の考え方です(「対立解消図」とも呼ばれますが、通常は「雲」と一言で表す ことも多いです)。 これを図で表すと、次のようになります。 ┌────────────────────┐ │ 前提・仮定 前提・仮定 │A :目的 │ ───┬─ ──┬── │B :目的に対するニーズ │ │ ┌──┐ │ ┌──┐ │C :目的に対するニーズ │ │ │ B │─→│ D │ │D :Bを達成するための行動 │ ┌──┐─→└──┘ └──┘ │D’:Cを達成するための行動 │ │ A │ │←─対立 │ │ └──┘─→┌──┐ ┌──┐ │DとD’は、両立できない。 │ │ │ C │─→│D’│ │(何らかの理由で、同時に │ │ └──┘ │ └──┘ │ 満たすことができない) │ ───┴─ ──┴── │ │ 前提・仮定 前提・仮定 │ └────────────────────┘ 「A」であるためには「B」である必要がある。 なぜなら、「前提・仮定」があるから。 また、「A」であるためには「C」である必要がある。 なぜなら、「前提・仮定」があるから。 「B」であるためには「D」をする必要がある。 なぜなら、「前提・仮定」があるから。 また、「C」であるためには「D’」をする必要がある。 なぜなら、「前提・仮定」があるから。 この図に、上で考えた例を当てはめてみます。そして、それぞれの線に書い た仮定や前提に、誤ったもの、誤解、思い込みがないか、検証します。どこ かの前提・仮定に、「あれ?」と違和感を覚えるものがあるはずです。そこ から、このジレンマを解く突破口を見出すことができます。この突破口の見 つけ方にもいろいろあるのですが、ちと長くなるのでここでは割愛します… 興味があれば、参考書籍[*2]を読んでみてください。 それ ではまとめです。 1.「あぁ、これってジレンマだなぁ」と感じたら、そこに共通の目的がある んじゃないか、と考えてみる。 2.ジレンマのそれぞれについて、前提となっている条件を考えてみる。 3.雲を書いてみる。 4.雲の中に、間違った前提や思い込みがないかを探す。 5.間違った前提、仮定、思い込みから、ジレンマの突破口を見つけ出す。 ジレンマにはほとんどの場合共通の目的がある、と意識しておくと、心の健康 にもよいですし、違う視点を持つことや、相手の立場に立って考えることがで きるようになります。ジレンマを感じたとき、この考え方を思い出してみてく ださいね。 [*1]http://groups.google.co.jp/group/changetherule [*2]全体最適の問題解決入門 ―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう! http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478006008/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】たまには「ダイアログ」について語ってみたい 第04話「やってみた工夫 その3」 ---------------------------------------------------------------------- でぶっち通信をご覧のみなさん、 ダイアログファシリテーターのgaoryuです。 5月28日金曜日にダイアログイベントを開催しました。 当日ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。 ワールド・カフェという形式での対話の場を作れたことを うれしく思います。 さて、今回は工夫のラストをかざる「アイスブレイク」。 □■━━━━━━━━━━━━━━━━━■□ ■ファシリテートの3ポイント 1.出会いから話せる関係性の構築 2.発言したくなる気持ちへの働きかけ 3.アイスブレイク □■━━━━━━━━━━━━━━━━━■□ アイスブレイクとは、会議やワークショップなどで、 参加者同士の抵抗感をなくすために行われるもので す。アイスブレイクの具体的な方法はいっぱいあり、 効果もさまざまで、しかも無限です。 その集まりの目的によって望ましい参加者の状態は 違いますから、行われる方法も変わりますし、参加 者の人数、環境によっても変わります。 私の場合は参加者同士の「関係性の再構築」を意識 して行っています。何をもちいるかは、事前にいく つかは候補を考えておいて、後は現場の参加者の状 態によって選択するようにしています。 ではダイアログにおいて望ましい参加者の状況となんでしょう? 私が考えるダイアログの要素はこのコラムのラストに いつも書かせていただいていますが、傾聴、発現、 共有、ひらめき、深まり、安心感の5つ。 この5つが発生しうる状況が私の望んでいる状況です。 そしてそれをもとに、その場の参加者に不足しそうな 部分が何かを考えてアイスブレイクを選択します。 発言が少なそうなら、声を出すアイスブレイクを使い、 安心感が足りなそうなら個人を認めるアイスブレイクを 使うという感じです。 もちろんアイスブレイクの内容によっては複数の要素に 影響するものもありますから、それほどピンポイントに 使ってないかもしれませんが。(;^_^A 最後に、アイスブレイクを考えるのは楽しいので、 ついついいつまでも考えてしまいがちですが、 ダイアログの場を創るのには他にも考えなければならな いこともありますから、ほどほどにしましょう。(笑) ★gao流ダイアログ解釈 そこにあるのは、「傾聴」と「発言」と「共有」。 そこに生まれるのは「ひらめき」と「深まり」。 そして「話していい」という「安心感」のある「場」。 http://d.hatena.ne.jp/DiscoveryCoach/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】DevLOVEコロニー、始動! ---------------------------------------------------------------------- みなさん、「DevLOVEコロニー」って知ってますか? 実は最近始まった、DevLOVEの新しいカタチなんです。 普段2ヶ月に1度くらいで開催しているDevLOVEの勉強会とは別に、 「より幅広く、より深く」 をテーマとして開催される、DevLOVE内コミュニティイベントなんですよ! DevLOVEコロニーのサイトはこちらから。 http://www.devlove.org/colony 特徴は、以下の通り ・コミュニティ内コミュニティである ・「DevLOVEに参加している人が持つもの」がテーマになる ・やりたい人が、やりたいテーマを決める ・DevLOVEの仲間が全力でサポートしちゃいます! ちなみに、この「DevLOVEコロニー」のカタチを利用して、 これまでこんなイベントが開催されました。 ・【Change The Future #1】 ~僕らの開発がアジャイルであるために~ http://www.devlove.org/colony/change-the-future/ctf01 ・【Change The Future #2】 ~コトそのものではなく、コトの外側を標準化する~ http://www.devlove.org/colony/change-the-future/ctf02 ・【Change The Future #3】 ~変化は自分から始まる。~ http://www.devlove.org/colony/change-the-future/ctf03 まだまだ構想段階ですが、以下のようなイベントも検討されています。 ・「プレゼンテーション」勉強会 ・「ユーザインタフェース」勉強会 今後も、さまざまなイベントがこの「DevLOVEコロニー」の場で 開催されると思うので、興味のある方は要チェック!! あなたが持っているテーマが、イベントとして花開く日も近いかも・・・? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】 ---------------------------------------------------------------------- ◆テレビで万博の映像を見ているだけで、自然と体が膨らんできちゃう!! 誰か僕を中国まで連れて行ってくれないかなぁ。 by でぶっち ◇今回はごみさんの代理でメルマガ担当してみましたが、 いや~、大変なんですね。いつもやってもらっていることに感謝です。 by GAORYU ○------------------------------------------------------------------○ ◇ご意見ご感想は:developlove@gmail.com ◇DevLOVE'Site :http://www.devlove.org/ ◇発行 :DevLOVE運営チーム ○------------------------------------------------------------------○ ※でぶっちと友達になりたい人は、メールしてね! developlove@gmail.com (※注:DevLOVEの運営に興味をもたれた方、お気軽にご連絡ください♪) |
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